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執筆者の写真ケイロン・イニシアチブ

Cheiron-GIFTS 2020 特別賞2

代表者氏名:正田 俊彦/ Toshihiko SHODA

研究者氏名:正田 哲雄/Tetsuo SHODA

海外での居住地:アメリカ・シンシナティ

研究分野:医歯薬学

研究テーマ:好酸球性消化管疾患(EGID)の病態解明

研究者として取得している助成金:平成31年度 日本学術振興会 海外特別研究員

この度、多くの応募者の中から採択して頂いたことを心より感謝いたします。応募時に書いたように、今回のCOVID-19ではアメリカの感染者・死者が非常に多い中、学校も閉鎖され遠隔授業となり、今後の進路を考えるうえで非常に難しい時期を過ごしていました。その様な時に、父から今回の助成金制度が始まることを教えてもらい、「研究者家族留学支援」という趣旨に、大変励まされました。これまでは漠然と将来を思い描くばかりでしたが、本申請を通し、家族と話し合う時間も増え、なぜアメリカで進学する必要があるのか、具体的にしたいことは何か、どんな魅力があるのか、実現することは可能なのか、どのように自分のためになるのか、何を学ぶことが社会への貢献に繋がるのか、ということをより深く考える貴重な機会となりました。僕は日米での自分の経験を活かし、障害、教育、スポーツの面で将来貢献できる人になる夢を持っています。助成金をいただき、夢の第一歩を踏み出せることを心より感謝するとともに、今回のチャンスを存分に活かせるよう、日々貪欲に学び、より一層精進したいです。



Cheiron-GIFTSの活用方法 (要約):

読み書きの障害(Dyslexia)がある研究者の子ども (高校生) が、留学先 (アメリカ・シンシナティ) での大学進学等に係る費用に活用し、持続可能な留学生活につなげることを目指す

現在抱えている海外での家族キャリアパスに関する問題と,本助成金を用いた解決策:

僕は父の仕事のため3年半前(当時中学2年生)に渡米しました(オハイオ州シンシナティ)。当初、アメリカでの生活は主に英語で苦労しましたが、小さい頃から続けていたサッカーを通じて親しい友人もでき、楽しく学生生活を送れています。特に高校1年生からは学校のサッカー代表チームに唯一アジア人として選ばれ、州内外の大会で活躍する機会を得ました。僕はもともと読み書きの障害(Dyslexia)があり、日本の学校の授業はとても苦痛でした。アメリカの学校では個々のパソコンを使用した授業が中心で、さらに障害のある学生への配慮・サポート体制も整っており非常に助かっています。そのような経験から、今後の進路を検討したとき、アメリカでの大学進学を目指したいと考えました。

現在僕たち家族(両親、自分、妹)は父の収入で生活していますが、アメリカで安全に暮らすために必要な金銭的負担(家賃、保険など)は大きく、さらに進学準備費用を工面するのは厳しい状況と聞いています。僕が主に必要なのは、学力試験と大学見学にかかる費用、通学や身分証明に必要な運転免許の費用です。アルバイトも考慮しましたが、最終学年での代表チームの活動は是非優先したいと思い、この助成金に応募しました。

今回、アメリカでの大学進学にあたり必要な費用をこの助成金で補うことは、経済的な面だけでなく、僕にとって精神的に自立するきっかけになると思いました。僕は日米での自分の経験を活かし、障害、教育、スポーツの面で将来貢献できる人になる夢を持っています。この助成金のサポートを受けることで、自分の力で夢の第一歩を踏み出したいと思います。

上記の問題を解決するための計画:

僕は自分のキャリアパスに関する問題を解決するため以下を計画しています。

1. 学力試験(ACT、TOEFL):アメリカでは大学進学にあたり学力試験の結果を提出する必要があります。そのためACTとTOEFLを受験する予定です。複数回受験し最高スコアを提出する予定です。

2. 大学見学:夏休みと冬休みを利用して大学見学に参加する予定です。大学の雰囲気を肌で感じ、施設・設備やDyslexiaへの対応などを直接確認したいです。

3. 自動車運転免許:アメリカでは16歳から免許取得可能ですが、18歳から必要時間が短縮されます。誕生日が2月なので18歳以降、学力試験と大学への出願が終了してから運転免許取得を開始する予定です。

留学中の家族の理想的なあり方について:

昨年、日本ではラグビーW杯があって“ONE TEAM”というチームスローガンのもと大躍進を遂げたというニュースをみました。僕もサッカーでの経験を通じて、馴れ合いではなく向上心を持ちながらお互いの特性や役割を理解し尊敬し協力し感謝しあえる家族“ONE TEAM”が理想的と考えました。海外での生活は、ときに日本では考えられなかったような苦痛や困難も伴いますが、家族“ONE TEAM”でそれを共に乗り越えるということは家族の絆をさらに強くしてくれると信じています。家族の中で自分自身が必要な役割を担えているかと考える時がありますが、自らの力でアメリカでの進学準備に取り組むことで成長した姿を家族に示すチャンスと考えています。


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